CORRESPONDENCE / LANDSCAPE を振り返る

 1年を通してシリーズ企画の紹介や30周年の振り返り等、今後についてwebsiteで随時更新しておりますが、ブログでも紹介していきます。

 

今回は、「CORRESPONDENCE / LANDSCAPE」について紹介いたします。


「CORRESPONDENCE / LANDSCAPE」(風景との応答展) since1996

 

この展覧会は、工房チカのシリーズ企画展示の中でも2番目に古い歴史がある。

1996年に美術家のクボタタケオ氏と初めてタッグを組んでスタートした。

当時、これからの美術界では、映像が大きな意味や発展がある、とのことを考えて、画家から映像に興味を持ち、写真や映像作品を数多く制作してきた美術家のクボタさんに、映像を中心とした企画展示のディレクターを依頼した。

従って、最初の頃は所謂レンズを通した作品を中心に企画していた。

だが、この20年間で映像の世界は、大きな変化、発展をしチカの映像展も変わってきた。

企画展初期の展覧会では、まだまだコンピューターが珍しく、コンピューターで画像をチカの壁一面に引き伸ばした作品は多いに話題となった。

折しも、東京都で初めて写真専門の東京都写真美術館が恵比寿に出来ていた。

そのころは、今の美術館は以前の仮の建物で規模も小さかった。

数年後、恵比寿ビール工場跡地に出来た恵比寿ガーデンプレイスは、その後次々と立ち現れた六本木ヒルズや他の再開発事業の先駆けで、当時、本当に大きな話題になっていた。

写真美術館はその新しいガーデンプレイス内に移った。(東京都写真美術館、1995年総合開館)
それもその後の六本木や日本橋の先駆けだったと思う。恵比寿の町は、それ以後、急におしゃれでグルメな町の一つに挙げられるようになった。

ここ10数年以上、写真映像の町を目指して、写真美術館は、恵比寿映像祭を開催している。

2008年からスタートした恵比寿映像祭は途中から、地域の画廊やスタジオにも声をかけて、地域連携プログラムを立ち上げ恵比寿を映像の町として盛り上げてきた。

今や、当時少なかった写真や映像を紹介するギャラリーやスタジオも増えた。

工房 親も、「風景との応答」展の企画以来、1年に2割から3割近くの映像展示をしている。

その工房 親 の「風景との応答展」展も最近は大きく変化してきた。

すなわち、レンズを通して制作した風景に限らなくなり、また風景という意味の解釈も広がってきた。

今年はチカ30周年記念として、若手作家「石井絵里子」のインスタレーションを展示予定していたが、コロナウイルス感染のために1年後に延期した。

設立以来の30年中には、地下鉄のサリン事件が起きて、工房チカの最寄り駅が地下鉄日比谷線で、霞が関は近いので、その時にチカで展示セッティングしていた映像作家の地方にいらしたお母様が心配して、画廊に電話をかけてこられた。

NYのワールドセンター爆破テロ事件の時も、チカに展示のために集まっていた作家達が、まるでフィクションの映像シーンを見ているようだと、興奮しながら語っていた。

2011年の東北東関東大震災の時も、私はチカにいた。

今年は、新型コロナウイルスのパンデミックと、工房チカ設立して30年の間には、様々なとてつもない想定外の大事件があった。

それらを乗り越え新たな企画を立ててきた。

これからは良い事がたくさん起きてほしいが、そうばかりではない辛い悲しい事にもあると思う。

しかし、映像展示を続けて新しい記録を残していけたら、と気を引き締めている。

とりあえず2021年の風景はどのようになるか、期待して見守って頂きたい。


恵比寿映像祭を振り返る

1年を通してシリーズ企画の紹介や30周年の振り返り等、今後についてwebsiteで随時更新しておりますが、ブログでも紹介していきます。

 

今回は、恵比寿映像祭について紹介いたします。

 

シリーズ企画
恵比寿映像祭

 

2020年の恵比寿映像祭は「時間を想像する」がテーマ。
工房チカは、30周年記念として、宇田川直寛、横田大輔のユニット「二人」で「二人のショー」を開催。

恵比寿映像祭の地域連携プログラムの参加も、初回からお声描け頂き、今年で7回目を迎える。
長く参加させて頂いているのも、この地域で30周年を迎えた古参だからであると思う。

この間、写真の技術は、めざましく進化した。
フィルムからデジタルが、主流となり、スマートフォンは、急速に広がり、そのカメラ機能は、素晴らしく、誰もがスマートフォンで撮影するようになった。

工房 親 が、20年以上続けている映像の展示も、最初の頃は、デジタルプリントが、珍しくて、話題になっていた事が昔の懐かしい思い出だ。

3年前から、写真のスペシャリストでもある深川雅文氏(キュレーター/クリティック)とタッグを組み、より斬新で、ワクワクする展示をお見せ出来るようになった。

 

2020年「二人のショー」の情報はコチラ


藤村豪 個展「誰かの主題歌を歌うときに」

7月上旬、東京も1日中傘を手放なせない日に江東区白河のKANA KAWANISHI GALLERYの藤村豪さんの個展「誰かの主題歌を歌うときに」 を観に行った。(展覧会は7月18日まで。)


日本はコロナ感染の不安な中、九州は大雨で河川が氾濫したり土砂崩れが起きて、被害が広がっている。雨の脅威はさらに、近畿関東甲信越にも広がった。


藤村豪さんは、3年前に工房親で深川雅文さんとご一緒した展示「ART×BIKE」で、深川さんにご紹介頂いた作家さんだ。


この展示中には、藤村さんと自動翻訳を介した深川雅文氏(キュレーター/クリティック)との往復書簡をパフォーマンス作品として会期中に完成させる、ことも行われている。


私は、このパフォーマンスは、今回の展覧会に重要な意味を持っている、と感じた。


以下にギャラリーによる紹介文を抜粋する。

http://www.kanakawanishi.com/exhibition-026-takeshi-fujimura

_______________________________________________


藤村は「他者の経験を私たちはどのように理解するのか」、そしてその分有についてを確かに実感し得るものとして、主に写真や映像で提示する作品群を一貫して制作し続けてきました。


例えば、映像作品《同じ質問を繰り返す/同じことを繰り返し思い出す(どうして離婚したの?)》(2014年より継続)では、同じ人物に「離婚した理由を教えてください」と6年間に渡り、同じ質問を投げかけ続け、その時々で本人から紡ぎだされる言葉を映し出しています。質問をする度にその理由とそれを表す言葉が変化をする様子は、当事者と出来事の結びつきの流動性、その度に変更を求められる聞き手の理解といったものを、時の移ろいとともに示します。


本展『誰かの主題歌を歌うときに』は藤村が日常的に向かい合う出来事をモチーフに、写真、映像、そしてテキストを中心としたインスタレーションで構成されます。


届いた時にあらかた文字が消えていたポストカード、作家自身のそれとは異なる姿をした息子の左手、身近な自然現象についての探索、友人の離婚をめぐる対話。その起点をより私的なものとしながら、様々な出来事の理解のために試みた「手探りで無遠慮」な、そして「不自然な再演」についての記録の数々が紹介されることになります。

______________________________________


今回コロナ感染のパンデミックによって、藤村さんだけでなくても、多くの人々が人との距離感や関係を考えたと思う。


だが藤村さんは特別に彼独自の感性と資質で、それをみごとに展覧会で表現している。

展示方法のバランスも良く、わかりやすく、美しく観た後に爽やかさが残り、晴れない空やモワッとした空気がスッキリとしたように感じられた。


馬場隆子


*******


展覧会は終わったが、会場の様子が3Dアーカイブでご覧いただける。


▼3Dアーカイブ

https://my.matterport.com/show/?m=A5DEtekAGFL


New  Photographic  Objects 写真と映像の物質性

工房チカのブログは、長いことチカの展示に関することをトピックスとしてきた。
特に展覧会の舞台裏を紹介したり、展示作家のインタビュー記事を中心にしてきた。

しかし、今年は2月末の恵比寿映像祭参加の展示以降チカの展示は9月が来るまでない。
すでに4ヵ月展示がないので困った。

コロナ感染拡大で、ひと頃は、美術館やギャラリーの展示も多くはクローズしていた。
不要不急の外出自粛要請も続いていた。

最近(7月3日時点)、漸く少しずつ美術館での展示や画廊などの展示が始まったが、再び、感染者が増加の中で私は、ちょっと躊躇もしている。

しかし7月3日どうしても観たかった「New  Photographic  Objects 写真と映像の物質性」(6/2- 9/6、埼玉県立近代美術館)を観に行った。


 

東京で100名以上の新たな感染者が出たあとで(7月3日時点)、埼玉県に行くのは、少々気が引けたが、空いた時間を選んだので、電車もガラすきだった。

展覧会も観客は私一人だった。

展覧会の内容は、まさにタイトルが腑に落ちるものだった。
写真や映像作品の展示なのだが、オブジェを感じられる展示だった。

この展覧会を観たかったのはもう1点ある。
それは2月のチカの展示「2人のショー」の横田大輔氏も展示していることだ。

今回の彼の作品は、大判のポリ塩化ビニールのシートにプリントされたものをカーテンのように下げて、重ねたり、だらりと手前に出して、立体作品のようであり、シートの物質性が際立つ。
見る角度によってや裏側?から見たりすると、色々な物が浮かんだり、イメージが次々と現れる。

青空に白い雲やベッドやバスタブも見える。
それらは、リアルに見えたり、何となくのイメージと重なって見える。
説明を見ると、彼は一人で都内のラブホテルに泊まって、撮影し制作したようだ。

作家は、私をとんでもない場所や想像の世界、思いがけない気付きに導く。

今回の展示は4人と1ユニットの展示で構成されていたのが良かった。
展覧会のコンセプトが明確に強く伝わってきた。

 

馬場隆子


春韻展を振り返る

2020年、工房 “親” は皆様のお力添えあって、設立30周年を迎えました。
ここまで、支えて下さいました皆様に感謝申し上げます。

 

1年を通してシリーズ企画の紹介や30周年の振り返り等、今後についてwebsiteで随時更新しておりますが、ブログでも紹介していきます。

 

今回は、春韻展について紹介いたします。

 

シリーズ企画
1月開催 2014年から開催

「春韻」

年明けにふさわしい企画展として、女性の平面作品をグループ展で紹介したいと、春韻という造語をタイトルにしてスタートした展覧会も、2014年から毎年開催し、今年で7回目を迎える。

1990年に、工房 親 を設立して、1991年4月に初の企画展を開催した。

当時は、バブル景気のなごりがあり、その後バブルがはじけた。
更に、ミレニアムを迎え、社会や世界の環境はさまざまな分野で急速に変わった。
もちろん、現在の社会、世界と、その先を見据える現代アートも、大きな影響を受けて、スピードアップして進化した。

そのような移り変わりの中で、工房親の企画展示の在り方を考えた。
広いスペースや大きな仕掛け費用が不可欠で、メディア対応も強くアピールしなければならない展示は、チカには厳しい。

そういう中で、チカらしい展示は何か?

チカらしさは、大きなものでなくても、見た人が気持ち良くなったり、心が開かれたり、何かを気づかせて、きっかけを作るようなもの、作家が真摯に向き合って制作したものを丁寧に展示することと思った。

春は誰にも、待ち通しい希望の未来を思いおこす。
韻は音から来ている。

正月も、昔と比べて、非常に変わった。
しかし、今でも年が明けると、人は気持ちが良く、めでたさを思う。

そんな人々が願う希望やめでたさを6人の女性に制作してもらい丁寧に展示する。

それが春韻展です。

年齢も手法もそれぞれ違う6人の女性の作品は、違いがあっても、美しいハーモニーを醸し出す。


2020年「春韻」展の情報はコチラ


<< | 2/117PAGES | >>

Recent Posts



Archives

links

search this site.

sponsored links

mobile

qrcode

powered

        みんなのブログポータル JUGEM