ポンピドゥー・センター 40周年

3月も終わりに近づき、東京では季節外れの雪や夏日に驚かされたが、桜は満開を迎え、過ごしやすい気候となった。

 

今日はパリの知人から届いた便りを紹介する。

 

 

 

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アンドレ・ドラン展 / セザール回顧展   2017-2018

 

一夜にしてセンターの前にセザールの親指が現れた。開催中の会場から抜け出たようで、青銅に金箔の6mは人目を引く。セザールは15年間美術学校で学んだ。大戦後の荒廃した街工場で鉄くずを拾い集め、それで形を造ることから出発する。その後、産業や素材の発展に伴い工場が彼のアトリエとなる。廃車処理の油圧プレスで自動車を丸ごと押しつぶし、人体を型取り、ポリウレタンを発泡させ、プレキシグラス内に日用品を閉じ込める。次々と楽観性を帯びた大胆な制作を試みた。

従来の彫刻の概念をくつがえした彫刻家であると同時に、ピカソ、ジャコメッティの後継者でもある。神話の世界からも離れなかった。半世紀に及ぶ作品群には、古典美と現代性との微妙な交感が感じられる。彼の肖像といわれる自身の親指の最大は、パリ郊外のラ・デファンス地区にある。高層ビルの谷間に屹立する12mは圧巻で、セザールの二十世紀への挑戦を象徴するようだ。2018年は彼の死後20年目にあたる。

 

ルネ・マグリット特別企画展       2016-2017

 

センターの辺りはボーブールPlateau Beaubougという名の古い地区で、映画や本に出てきたパリの胃袋こと中央市場がすぐ隣にあった。その百年来の卸売市場が時代とともに窒息状態に陥り、ついに市外へ「世紀の引越し」を強要される。ボーブールにも近代化の波は押し寄せ、ブルドーザーがXX %の庶民生活を一掃した。

 

就任したポンピドゥー大統領の強い願いは、パリ市に新しく現代の美術館をつくることだった。唯一の可能性はボーブールで、予定の公共図書館の建物に現代美術と文化活動を合流させ、全体を総合文化センターとすることに決める。レンゾー・ピアノ他二名の建築設計で1971年着工した。3年後大統領の交代で計画そのものが中断しかけたが、第一首相の介入があって工事は続行する。それは文化に斬新なものをとり入れる国家事業だった。*ジョルジユ・ポンピドゥー国立美術文化センターは1977年1月に完成をみた。翌2月からの一般公開に人々が殺到したのは言うまでもない。

 

40周年 モダンアート・パレード  2017

 

マグリットのピノキオを先頭に、エルンスト、デ・キリコ、ムンク、ブラウナー、マレヴィッチなどの絵から抜け出た人物たちが、ボレロの曲で行進をする。ポンピドゥー・センターは 2017年2月に開設40周年を迎えた。40年間に一億を超える人々を惹きつけ驚かせ、挑発し歓迎し、彼らに問いや感動を与えてきた。75件ばかりの記念祭の行事や展覧会が40都市に用意された。*ポンピドウー・センター・メッス別館は『ジャパン-ネス 1945年以降の日本の建築と都市計画』『日本のシーズン』で日本色に染まる。る

 

常設の近現代美術館、図書館閲覧室、映画アトリエ劇場、IRCAM・国立音響音楽研究所(別の建物)等に加えて、年間およそ25件の展覧会が開かれる。むき出しの機能構造に酷評は残るが、文化活動への評価は高い。ガラス面、室外の廊下やエスカレータ―からは歴史のパリを360度見渡せる。ボーブールのいにしえの姿は、近くの教会裏の古風な名の小路や彫りが残る家屋などに、断片的に残っている。

 

(Y)

 

デイヴィッド・ホックニー回顧展    2017

 

40周年を含む近年の主な展覧会

  • 12/2015-04/2016:アンゼルム・キーファー展
  • 04/2016-08/2016:パウル・クレー回顧展 Ironie à l’œuvre
  • 06/2016-01/2017:ルネ・マグリット特別企画展La Trahison des Images 
  • 11/2016-04/2017:サイ・トゥオンブリー回顧展
  • 04/2017-08/2017:ウォーカー・エヴァンズ回顧展
  • 06/2017-10/2017:デイヴィッド・ホックニー回顧展
  • 09/2017-05/2018:*日本のシーズン(ジャパン-ネス/ジャパノラマ/ダムタイム)
  • 10/2017-01/2018:アンドレ・ドラン1904-1914・La Décennie Radicale
  • 12/2017-03/2018:セザール回顧展   

 

*ジョルジユ・ポンピドゥー国立美術文化センターの通称名:Centre Pompidou、Centre Beaubourg、略してBeaubourg:ポンピドゥー大統領は在職中1974年没 / ポンピドウー・センター・メッス別館 http://www.centrepompidou-metz.fr 日本語有

 


「木になる」展 開催!

女子美術大学ヴィジュアルデザイン専攻・立花文穂ゼミ9期生による卒業制作展「木になる」が本日16時よりスタートした。

 

 

 

 

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同じ時間、空間をすごした
10
にんの展示。


根をはっていた。
ばらばらなまま、同じところへ

枝になってゆく。
同じところから、それぞれの道へ

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総勢10名による展示は、かなり大掛かりなインパクトと勢いに溢れた展示だ。

設営は2日かけて行われ、終始賑やかなムードの中、見事に全ての作品を飾った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

町野あずさ Azusa Machino

 

 

 

「わたしについて」

 

どんな写真を撮っているのか聞かれると、ゴミを撮ってます。と答えます。人をただ単に撮るより、人が一度手放したもの、ゴミの方が人に近い感じがします。

壊れて使えなくなったものだったり、持っていることが嫌なのもとか、自分と無関係にしたいものほど、圧倒的に自分を作っていて、それは汚く思えて美しく見えると思います。 

今回制作したものは、ほんと嫌だし、まじゴミだわ、捨てよ。と何度か思いました。

 

 

 

 

 

中嶋鳳美 Homi Nakajima

 

 

 

「移ろうこと 」

「内」と「外」、「名前」と「私」

 

一人の人を割っていく、輪郭がなくなる、砂のように小さなその粒たちは器を失い外に漏れ出し、どこか知らない誰かの粒と合わさり、小さな石になるのかもしれない。

 

 

 

 

 

砂川咲里 Sunakawa Sari

 

 

 

「痕跡」

 

浜を歩くと靴に砂が入り込み、気持ち悪い。ジャリジャリと私に主張しながら行く手を阻む。家に帰ると足指の間、爪の隙間、洋服についた砂を払い落とす。私が歩いた「痕跡」と砂が歩いた「痕跡」が交わる。痕跡を知ることは自分を知ることだ。

 

 

 

 

 

弘瀬桃子 Momoko Hirose

 

 

 

「人生、おんちょだね〜」

 

意味を探したくても意味がわからない。人生も、おんちょも、自分も。ピンクも水色も黄色も白も黒も、ゆるさも真面目さも、あいだを取るのではなく、真逆(に、みえること)を愛していたい。ひとつになれないなら、ひとつじゃなくていい。もちあわせればいい。なにをやってもいい。迷いながら、間違えながら、ずっと。

 

 

 

 

 

大槻若楓 Kaede Otsuki

 

 

 

「カエディニスト」

 

カエディニストの手記・素描。カエディニストとは大槻若楓というものが形成されるまでの要因のこと。じぶんというものは、たにんと接することで形成されるのです。接したと思うたにんを300人描く。

 

 

 

 

 

山北菜摘 Natsumi Yamakita

 

 

 

「肉の線」

 

私たちは皆人間ですが、一見似た形をしていても、価値観によって人間の見方が異なります。

自分と他人は別物であり、別だと感じられるからこそ理解しようと歩み寄れます。

今回自分の右手の指紋から観察を始め、自分にしかない線に着目し、自分を研究することで、

自分と他人の違い、個々の人間の違いを見つめました。

 

 

 

 

 

阿部和佳奈 Wakana Abe

 

 

 

「うさぎちゃんのお弁当のつくり方」

 

頭の小さいわたしにもわかった。ここに入ってるもの、全部。おかあさんがつくっていたものだ。高校、最後のお弁当までずっと変わらず入っていた。わたしはそれに嬉しくなったり、鬱陶しくなったりもしたけど、飽きることなく、米ひとつ残しませんでした。今度はわたしがお弁当をつくる番です。

 

 

 

 

 

本間あや Aya Honma

 

 

 

「腹八分目の姿勢」

 

自分の下手な部分と向き合うことは難しく恥ずかしい道のりだ。

だが、その道から逃げず藻掻く中で、学ぶ構えが少しずつ生活に表れ、いつしか自分だけでなく周りにも変化が訪れるだろう。

そこで生まれた姿勢は腹八分目の姿勢は、作ってゆく中で分からなくなる自分を否定も肯定もせず、背中を押し前に進ませてくれるのだ。

 

 

 

 

 

渡邉彩乃 Ayano Watanabe

 

 

 

「らせんを歩く」

 

らせんを歩く。覚えて忘れて繰り返し、何度も廻る。停滞。ゆったりとした重さにはまる。視点を変える。横から見ると徐々に上る、限りなく平坦に近い道のり。たくさんの時間をかけて、捲り、巡る。ズレ。

 

 

 

 

 

金秀美 キムスミ Sumi Kim

 

 

 

「あなたへ」

 

彼女の人生は、子供のための人生だった。彼女のことを思うと、自分が子供として当たり前にもらったことがたくさんあった気がする。

私は彼女になりたくない。

あの頃の彼女に今の私ができることは、一杯の水を渡すことだと思った。

 

 

 

 

 

本日17時からはオープニングパーティーが行われ、展示は今日から25日までの3日間開催。

 

パワー溢れる彼女たちの作品は単純に綺麗や可愛い、カッコイイという表現だけでは追いつかない。

そこに見えるテーマ性やそこから広がる自分自身の思想に意識を集中させられる。

 

大変見応えのある展示となっておりますので、みなさま是非ご来場、ご高覧くださいませ。


「pot-au-feu」展 開催中!

工房親では3月11日より、東京芸術大学デザイン科2年生による美術作品展「pot-au-feu(ポトフ)」を開催している。

 

 

 

 

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pot-au-feu(ポトフ)展は、東京芸術大学デザイン科2年生による美術作品展です。
色々な野菜が美味しく混ざりあったポトフのように、個性が響きあいお越しいただいたお客様の心が温まりますように…

 

今年のテーマは、

「 おはなし 」

 

物語、対話、歴史、言語、コミュニケーション、虚構と現実…

「おはなし」という言葉には様々なおいしさがつまっています。

それぞれの「おはなし」をそれぞれの味わい方で…



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9名の若い作家たちがそれぞれ「おはなし」というテーマをもとに、映像、平面(デジタル・アナログ)、立体、絵本、おもちゃなど、さまざまな展開を見せる楽しくて全体に温かみのある展示だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

井桁宗亮

 

 

 

「あなたの知らないものがたり」作者の井桁宗亮です。

人間の近くに存在しているのに誰にも気付かれずに生きる者たちの世界をシリーズとして制作しています。ファンタジーの世界だけどもしかしたらいるかもしれないという生物としてのリアルさを出せないかと思いながら試行錯誤しています。今までは多くを絵画作品として仕上げていましたが、今回は造形作品を制作し実際の存在とすることで展示に来てくださった皆さんと"彼ら"との出会いを体験してもらおうと思いました。

 

 

 

宇佐美織絵

 

 

 

私は料理をするのが趣味でその中でも一番好きな料理は煮込み料理です。

普段せっかちな私でも、食材たちの様子を見ながら調味料を入れ、時間をかけて味が染み込み美味しくなる事を知っているので「あともう少し。美味しくなれなれ。」と思いながら待てるんです。

 

今回のpot-au-feu -おはなし-展では『kotokotto(コトコット)』という火を使わずに煮込み料理を体験できる知育玩具を展示しています。

kotokottoは和紙で出来た野菜と調味料のようなインクが入っています。

和紙で出来た野菜をご自宅にある鍋に入れ、調味料のようなインクをその野菜に少しずつ垂らしていく、調味料が野菜に染み込んでゆく様をじっくり見て、全体に染まったら出来上がりです。

 

従来のおままごとセットはプラスチック製の調理器具と食材が定番ですが、それでは料理をする仕草は覚えても、調理されている食材たちが自分が加えた調味料によってどう変化して美味しく出来上がるのかまでは知ることができません。

料理とは食材とのコミュニケーションによって美味しく作る事が出来るので、子供たちにも料理をする楽しさを知れるきっかけとなればと思い制作しました。

 

 

 

大島利佳

 

 

 

今回の作品『chat over a cup of tea(お茶を飲みながらおはなししましょう)』、『bloom(おはなしにお花を咲かせましょう)』は、話にゆかりのある言葉のお茶、お花の言葉遊びから出来上がった作品です。おはなしをする空間をどのようにして素敵なものとして表現するか、そこに注力して描きあげました。

 

 

 

小野颯志

 

 

 

託し継がれ物語は生きていくのでしょう。

今回の展示では、少女が本と出会い、本と過ごし、本をつぎの世代へ伝えていく、というひとつの『おはなし』を作品に込めました。ファンタジーめいた景色や彩りとともに、ほんのりとでもその文脈を感じて、楽しんでいただければと思います。

 

 

 

大平虹綺

 

 

 

今回は、私が実際に飼っている愛犬ジャックをモデルに絵本を制作しました。

今回のポトフ展のテーマが「おはなし」なので、みなさんに読んでもらって、心があたたかくなっていただけるような「おはなし」を作ろうと考えました。

「しあわせのおはなし」は、日常の中にある、ちいさなしあわせを詰め込んだおはなしです。小さな幸せの中で過ごす主人公のジャックを通して、読んでいるみなさんも幸せになっていただけたら嬉しいです。

 

 

 

川名泰夢

 

 

 

いつもはもう少し違ったモチーフを描いていて、風景や抽象的なものではなく自分の頭の中に浮かんだ生き物を描くことが多いです。前々から描きたいと思っていた豚を使って何かできないかと思い制作しました。展示している『てぃむとんぷそん』という作品は、過去に自分が制作した立体作品を平面に起こしたものです。マカロニを食べ続けて全身がマカロニになってしまった怠惰な豚の造形作品を、今回はその幼少期をイメージして描いています。『煉瓦の家』という作品も、オオカミに襲われない環境にいることで堕落してしまった豚がモチーフになっています。目つきは悪いけれど、ちょっと繊細な子豚たちです。

 

 

 

佐藤真由

 

 

 

いるかもしれないし、いないかもしれない。あるかもしれないし、ないかもしれない。信じてしまえばそれは真実で、その世界には誰も干渉できない。そんな物語を描きました。

 

 

 

常田遙

 

 

 

タイトルはdressといいます。

 

物語がはじまるまえ、女の子たちなにをするかということから

自分のはなしがはじまる前の

彼女たちが彼女たちになるまでの身支度をテーマに

少しのけだるさ、見せることのないだらしない姿、彼女たちの日常を描きました。

 

 

 

山田彩七光

 

 

 

一瞬の連なりが、対象にに時間を与え、動きを与える。移り変わることで意味を持つというアニメーションの存在そのものが物語的だと思い、映像作品をつくりました。

「話す」ということは、記憶や感情を分解し編集する行為です。

今回の作品の軸となる、環境音の組み合わせは、誰にでも共通する記憶の断片です。普段の生活で懐かしさを感じた音を録音したものでつくりました。

記憶は、感情をつくります。

感情は形を作っては消え、また新たな形をつくります。

とめどなく移り変わる抽象的なアニメーションは、感情のつかみどころの無さを表しています。

記憶や感情は、私たちがコミュニケーションをするための基準となる、誰にでも共通する触れることのできない"何か"です。

言葉にするということはその"何か"が泡のようにはじけて消えることです。

次々と移り変わり、儚く弾けて消えた泡の正体を探ることが、私の表現する「おはなし」です。

 

 

 

 

 

彼らがそれぞれに描く「おはなし」はファンタジーの要素もありながら、どこか何気なく過ごす日常のひと場面を覗き見るような感覚さえも覚えさせる。

 

 

 

 

テーマや制作に真摯に向き合う彼ら自身のこれからの「おはなし」を工房親は応援していきたい。

 

展示は明日17日までとなり、作家も常に在廊しております。

みなさま是非ご来場、ご高覧くださいませ。


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