SAKURA

この春は新元号、新札の話題でにぎわいました。

しかし、桜は千年前から歌に詠まれ、絵に描かれお菓子や料理になったり、写真の被写体となり花見の宴が催され今や海外からSAKURA TOURもある。何年も何年も続く、春の主役だ。

 

 

在原業平の「世の中にたえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし」の歌のごとし。

 

私も久しぶりに今年は2回花見をした。1回目は2年後に100歳を迎える母との花見。

母は歩くのが苦手なので戸輝の室内から桜を眺めながらのランチ。

 

 

窓の外には薄桃色の桜とモミジの若葉のコントラストが美しく日本画の世界に入ったようだった。

母はランチ何一つ残さず完食。ゆっくりとした良い時間を楽しんだ。

 

 

2回目の花見は葉山に住む親類の家を訪ねてのの花見。

私を除いて、皆80歳を越えているので、こちらも先ず近くまで車で行き、その後桜の下を散策。

 

 

小高い丘の上からの桜は人込みもそんなに無く、素朴な美しさで堪能した。

 

その後は暖かい家の中で桜弁当を頂いた。

 

桜について2人の老紳士の会話を紹介する。

 

ーーー

 

(A氏)

 都の桜は盛りを過ぎた。花吹雪も昨日の小雪に流されていた。今日の強い風に今年の桜の春は追い出される。ところが散歩すると八重櫻が、重く咲き、新たな風情を醸している。 東北被災地でも、福島のソメイヨシノは満開だろう。唐代の詩人、李商隠は詠っていた。“日々春光闘日光 山城斜路杏花香 ――” 春の気配は太陽の光と競い合う 山城からのびる勾配の道に咲くあんずの花もかぐわしい。―― “杏”とは、‘あんず’のことか、’すもも’のことかと 迷いながら 桜咲く小道を歩いてきた。いずれも白い花だ。

 

(B氏)

 強い風にソメイヨシノの枝は大きく揺さぶられている。今日が桜も見納めとなると、行く春が名残りおしい。 白居易を好む私に、あえて李商隠の詩の一節とは、両者の深い関係をいつか語り合ったからにちがいない。その心使いに感謝し、いただいた写真を楽しむ。 国家の盛りから衰亡に至る道で生きた二人の詩人は、その感情に相似ると思うところがある。太原白公(白居易)に贈られた墓碑銘を作ったのも、この李商隠、。 思いがけなくも、桜を、見送る時にあたり、ソメイヨシノと八重櫻を見せていただき感謝。 

 

ーーー

 

どちらも数年ぶりの花見でしたが、だんだん年を取ってきてこれから、この様な時間を時々持ってゆきたいと改めて感じた。

 

馬場隆子

 

 


戸塚みき 「根源の青 −光・闇・漠ー 」

工房親(チカ)では現在、戸塚みき展「根源の青 -光・闇・漠-」を4月14日(日)まで開催しています。

戸塚みきさんは東京藝術大学 美術学部 絵画科油画専攻 を卒業し、藍染工房にて修行。

藍の種まきから染めまでを一貫して行い、自然と対話しながら藍と和紙による作品を発表をしています。

 

 

 

いくつかの作品について戸塚みきさんのコメントと合わせて紹介いたします。

会期中は作家が終日在廊しておりますので、お越しの際は作家との時間もお楽しみいただけます。

 

**************

 

光と闇(light、darkness)、その狭間に広がる漠(between light and darkness)、世界の成り立ちや起源に触れることは、古から続く人間の根幹だと思います。

本展では「青は漠」であるという古代の色彩感にもとづきながらも、和紙と藍の特長を、最大限生かすことに重きを置きました。

自然の染料と素材だからこそできる現代の表現を提示し、普遍的な作品を作っていきたいという思いです。

 

「漠」-between light and darkness- 94×200cm

 

混沌としながらも全てを内包するかのような存在。

光と闇の間が「漠」なら、世界の曖昧や矛盾も「漠」だと思います。

 

藍染めという自然の染料は純粋な青だけでなく、多くの有機物が混在しています。それらをあえて残し、定着させることで、純粋さも不純さもあわせもつ生命、またこの世界の豊かさ。すなわち「漠」を表現しました。

 

 

「light and darkness」 80×80cm

 

「between light and darkness」80×80cm

「light ・darkness」80×80cm

「darkness」58×58cm

 

 

「between darkness」80×30cm

「between」80×37cm

「between light」80×30cm

 

「between light」80×30cm

「between light」(クローズアップ)

 

 

戸塚みき 展 

根源の青 -光・闇・漠-

2019.4.10(wed)- 4.14(sun)
12:00〜19:00(最終日17:00まで)

 

MikiTozuka Exhibition
2019.4.10−4.14

The roots of blue -light・darkness・BAKU-

 

http://www.kobochika.com/homepage/html/exhibition_20190410.html

 

 


4月に観た展示について

前回に続いて、4月に観た展覧会を取り上げる。

 

桜も開花し始めた頃、工房親 から散歩がてら庭園美術館に向かう。

庭園美術館という名の通り、大きな樹木、そして桜もある。

 

 

「岡上淑子 フォトコラージュ 沈黙の奇蹟」展を観る。

https://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/190126-0407_okanoue.html

 

彼女は、1928年生まれで第二次世界大戦を経験している。

戦後、文化学院デザイン科に入り在学中よりコラージュを始めた。

私は彼女と時代の差はあるが、若い彼女が戦後の何も無い中で西洋の写真やモードは本当に強いインパクトを与え次から次へと想像が広がった事は私にもよく分かる。モードと写真がシュールに発展し、初期の作品は特に素晴らしい。私自身も古い映画を観ているような、興奮の世界に引きずられた。

 

▲「岡上淑子 フォトコラージュ 沈黙の奇蹟」展 2F展示会場

 

 

 

桜も満開になって、平塚市美術館の「土田泰子展 導〜 Whereʼ s a will,thereʼ s a way」を観に行く。

 

 

▼「土田泰子展 導〜 Whereʼ s a will,thereʼ s a way」

http://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/page14_00123.html

 

 

土田は1985年生まれの若いアーティスト。以下、同展の概要を一部抜粋する。

 

土田作品をみて、われわれは3度驚きます。最初は、完璧につくりあげられた美しい造形に。さらに作品の素材が、無数の安全ピンやマドラー、温度計などの日用品であることに自らの常識をくつがえされるような驚きを感じます。3度目に、その素材やサイズ、パーツの個数にいたるまですべてに意味があり作家の深い洞察に基づいていることに驚くことでしょう。
 土田作品は「コンセプチュアル・アート」に与すると評されます。アイデアやコンセプトを重視する方向性がそう感じさせるのでしょう。一方その天啓のように浮かぶアイデアの実現には、一つ一つの素材をつむいでいく気の遠くなるような時間と手仕事が必須となります。求道的ともいえる営みが醸すオーラとその芸術世界をご堪能ください。

( http://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/page14_00123.html より抜粋)

 

まさに日常の誰もが見たり使用したりしている「物」から作品を造形している。しかも単に造形ではない深い意味を持っている。想いやその感覚までもが伝わってくる作品だ。例えば、“mammamia”では、ミルキーの包装紙を使いミルクからお母さんの味、「アルキズナ」では靴で絆創膏というような、ある意味デザインを勉強した人らしいといえる。しかし、ヴィジュアル的にも意味も分かりやすく楽しい展示だった。

土田泰子 mammamia 2018 ミルキーの包み紙・ゴムコーティング

▲土田泰子 mammamia 2018 ミルキーの包み紙・ゴムコーティング

 

土田泰子 mammamia 2018 ミルキーの包み紙・ゴムコーティング

▲土田泰子 『mammamia』 2018 ミルキーの包み紙・ゴムコーティング

 

 

▲土田泰子 『けじめ〜女人ルーティーン〜』 2016 櫛

 

 

▲土田泰子 『アルキズナ』 2013 救急絆創膏

 

 

庭には大きな山桜。

 

馬場隆子


3月に観た展示について

安西剛の個展「アウェー」が2/28に終了し、個人的用事も少し落ち着いたので

いくつかの展覧会を観た。その中で特に印象的なものを3つ程取り上げる。

 

1. 櫃田 伸也 罪なき理性

会場 KAYOKOYUKI

会期 2019.3.8 (金) - 31 (日)

 

NOBUYA HITSUDA

櫃田 伸也 NOBUYA HITSUDA 箱 2003-2019, oil, masking tape on canvas, 116.5 x 116.5 cm

 

▼展示詳細 (KAYOKOYUKI サイトより)

http://www.kayokoyuki.com/jp/190308.php

 

 

同時開催:その先へ

会場 Komagome SOKO

会期 2019.3.8 (金) - 31 (日)

 

▼展示詳細 (Komagome SOKO Facebookより)

https://www.facebook.com/events/431369947633428/

 

先ず、櫃田の作品は観ていて美しく、構成が幾重にもなり何故か懐かしさを感じた。

後で解説を読んで知ったのだが、彼の創作の原風景は多摩川の土手の斜面や広場だという。

私も多摩川とは、50年以上の付き合いで今もそばに住んでいるからだと気付いた。

 

Komagome SOKOのグループ展も一人ずつ個性の光る作品が展示されつつも

何か櫃田氏の大きな流れと接点を感じさせられた。

 

 

 

2. ACT (Artists Contemporary TOKAS) Vol. 1 “霞はじめてたなびく

会場 トーキョーアーツアンドスペース本郷

会期 2019年2月23日(土) - 2019年3月24日(日)

 

ACT (Artists Contemporary TOKAS) Vol. 1「霞はじめてたなびく」

 

▼展示詳細 (トーキョーアーツアンドスペース本郷 サイトより)

https://www.tokyoartsandspace.jp/archive/exhibition/2019/20190223-4997.html

 

“霞はじめてたなびく”展覧会の案内として以下の説明文がある。

 

古代中国で考え出された季節を表す方法の一つに七十二候があり、それぞれの名前は気象や動植物の変化を表す文章になっています。その暦は江戸時代に日本に取り入れられ、暦学者によって日本の風景や気候に合うように一部が書き換えられました。本展覧会が始まる2月下旬は、七十二候で「霞始靆」(かすみはじめてたなびく)と呼ばれています。

 

冷たく乾燥していた空気が徐々に潤み、遠くに見える景色が霞んで見えるようになります。湿気を帯びた空気が浮遊するちりなどと結合し、光に変化をもたらすからです。今回紹介する3名は、そのようなささやかな日常の変化を身体で敏感に感じとり、レイヤーを重ね、今まで見えていなかった風景を展示空間に浮かび上がらせます。

(展覧会概要から抜粋)

 

参加作家は、佐藤雅晴、西村 有、吉開菜央の三人で30代初めから40代半ばの若い作家である。

 

佐藤雅晴

佐藤雅晴は8年ほど前から、癌を患いながらも制作している。映像作品は一部アニメーションが入っていて現実と非現実の堺がなくなり鑑賞者を不思議な旅へ誘う。バックに流れる音の効果もあり、観ていて引き込まれる。

 

西村

ほのぼのとした絵本の世界に誘い込まれるような作品だ。リアルにないような透明感でありながら空気が重なっていくような

まさに展覧会概要の言葉のような変化を身体で感じられる。

 

吉開菜央

作品「静坐社」「Wheel music」の2つの展示である。

「静坐社」は2016年に依頼され作った映像作品で力を入れて制作したのが伝わってくるが、

私は新作の「Wheel music」の方が好きであった。しかし、これは単に私の好みによるものだ。

 

 

ただ、このブログ原稿を書いている時に佐藤雅晴さんが亡くなったことを知った。「余命3ヶ月宣言されている」と本人も語り

段々、外へ出ての制作が出来なくなった中でインタビュー映像では今後の抱負を語っていた彼を想うと本当にやるせなく、切ない。

 

 

トーキョーアーツアンドスペース本郷でもう一つ私の心に強く残ったのは、都営地下鉄三田線の水道橋駅からの坂のある風景だった。

両側が学校で、鍵のように曲がっていく坂は情緒があって素晴らしい風景だった。その光景は佐藤雅晴氏の訃報とは何の関係も無いのだが、何故かその光景と佐藤作品がオーバーラップし少しなぐさめられた気がした。

 

 

3. 堀内正和展 おもしろ楽しい心と形

会場 神奈川県立近代美術館 葉山館 展示室 2・3

会期 2018年12月8日 – 2019年3月24日

 

堀内正和展 おもしろ楽しい心と形

 

▼展示詳細 (神奈川県立近代美術館サイトより)

http://www.moma.pref.kanagawa.jp/exhibition/2018_horiuti

 

最後に、神奈川県立美術館の「堀内正和展 おもしろ楽しい心と形」

こちらは、タイトル通り面白く、楽しく思い切って観に行って本当に良かった。

観れば観るほど深みのある面白さに心がワクワクしてくる。エスプリとウィットに富んでいて

アカ抜けていてオシャレな展覧会に満足した。

 

 

 

他にもいくつかの写真展を観て夫々良かったのだが、今回は3ヵ所の展覧会を取り上げた。

 

 

馬場隆子


「シェイク・ファイサル・ビン・カシム・アル・サーニーミュージアム」レポート

いつもカタールの現地情報を寄せて下さるアーティスト・さいとううららさんから

ミュージアムレポートを寄せていただきましたので2週に分けて紹介しております。

 

先週は「マトハフ・アラブ近代美術館」について。

 

今回は「Sheikh Faisal Bin Qassim Al Thani Museum(シェイク・ファイサル・ビン・カシム・アル・サーニーミュージアム)」です。

 

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Sheikh Faisal Bin Qassim Al Thani Museum(シェイク・ファイサル・ビン・カシム・アル・サーニーミュージアム)へ行ってきました。

 

Sheikh Faisal Bin Qassim Al Thani Museum
https://fbqmuseum.org

 

このミュージアムは、国立ではなく、カタールで最も成功した実業家と称される、FBQ氏(Sheikh Faisal Bin Qassim Al Thaniは長いのでFBQと略すらしいです)の個人ミュージアムとのこと。彼は現首長の遠い親戚とのことで、要するに王族の私物博物館と言ったところのようです。

 


▲何処が入り口なのか、マゴマゴするほど巨大。要するに城。

 

とにかく、陳列物が大量でした。
ミュージアムというと、つい美術館と思ってしまいますが、陳列物の量やジャンルの幅広さから、ミュージアムとは博物館のことだと思い出させてくれます。

 


▲展示室の模様。ここは武器のコーナーで、ひたすら展示ケースが並ぶ。


冒頭はガラスの陳列棚に並ぶ武器の類。ひたすら陳列ケースが並びます。壁にはFBQ氏本人の写真や肖像画以外にも様々な写真や絵画が展示されています。その後、衣装やら器やら生活物資などなど並び、最後は車や船などの大物、そして鉱物やアンモナイトの化石、恐竜の骨までもが陳列・・・。
興味深いのが奴隷を拘束する為のグッズなどが展示されている部屋や、キリスト教などの宗教グッズなどが集められた部屋。なんと告解室までもが展示されていました。イスラム教圏であるカタールに、異教であるキリスト教の品々があるとは、色んな歴史を感じさせます。


もちろん、色とりどりの華やかな柄の素晴らしいカーペットもありましたし、王族の品々って、こういうものなのかなと思わせる、素晴らしい装飾の椅子や家具調度なども大量に陳列されていました。

少々残念だったのが、品々に来歴などの細かい説明がほとんどなかったこと。個人が趣味で集めたということですが、王族サーニー家として家に堆積していたのかな?と思うような量。なので、いちいち来歴を調査研究しきれていないということなのかもしれません。

 


▲中庭。古めかしい品々が置かれていた。中東らしくテントも張られていた。


敷地には建物を建設中でしたし、新しくカフェを導入したばかりのようでしたので、これから色々と整備されていくのでしょう。

立地はドーハ中心部から少し離れていますが、旅行サイトの口コミで、陳列物の多さではナンバーワンと書かれたりしています。今後、クラシックカーミュージアムやカーペットミュージアムがオープン予定とのことで、現在でもかなり面白いところですが、さらに期待出来る感じでした。

 


▲大物エリア。牙が生えたクラシックカーも陳列。飛行機も陳列。

 

ホームページには、アーティストインレジデンスもあり、別棟に現代アート用のギャラリーもあったようです。

ハマド空港から車で1時間くらい。ゆっくり観ると3時間以上かかります。機会があれば、ぜひオススメです。

 

Sheikh Faisal Bin Qassim Al Thani Museum
https://fbqmuseum.org

 

 

さいとううらら

 


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