「わたしたち木々 Nous les arbres」展 カルティエ現代美術財団 

平成から令和になり、皇室での様々な事業があった今年も、あと5日のみ。

 

現代アートの世界でも、様々な話題を呼び、日本での現代アートが大きく脚光を浴びた。

 

工房チカでも、シリーズでご紹介している企画展を中心に、新しい作家さんを紹介したり、来年迎える30周年に備えた。

 

年内最後のブログとして、環境問題を考えさせるパリからの便りで締めくくらせて頂きます。

 

良いお年をお迎えください

 

馬場隆子

 

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大木はつねに品格を備え人の心をうつ。身近にあって親しい木は日々の生活で安らぎや慰めを与えてくれる。ビデオの中で、何人もの人が「私の木」のポートレートやストーリーを語っているのがほほえましい。それは農家の中庭の胡桃や樫であったり、町の広場のプラタナスやモクレンだったりする。木から受ける感動をアーティストたちはデッサンや絵に描いてきた。草木が繁茂し極彩色の花や果実に囲まれる一室は、アマゾンの密林の中にいるような印象をあたえる。

 

Luiz Zerbini ブラジル

 

この展覧会を提唱したFrancis Halleは木を訪ねて世界中を旅してきた植物学者で、特に彼の関心は地球にとって大切な原生林にある。特に南アフリカ、中南米、東南アジアの森林は、今世紀になって急激に農業牧畜のために前代未聞の伐採を被り、度重なる山火事で失われ続けている…

 

 

 

 

Clemente Juliuz / Marcos Ortiz  パラグアイ

 

 

イノシシやジャガーやアリクイや大ヘビ、フラミンゴにハヤブサにサギやオーム…が棲息するサバンナや熱帯雨林。パラグアイのグラン・チャコ(狩の地域の意)のアーティストたちは過去となりつつあるかれらの森を描いている。自然界の万物に霊魂精霊が宿ると信じたアニミズムの世界が彷彿と浮かび上がる。

「わたしたち木々」展では、かれらを叙情面以外の見地からもみることを勧めている。植物は地球の生物界の85%を占め、それとわかる最古の木の化石は3億8千5百万年前に遡るという。それと比べて人間は生物界の1%、ホモサピエンスの軌跡は30万年前にすぎない。しかも、脳をもたない動かない木は動物と同様に進化しつづけているという。

ここ10年で植物生物学は飛躍的進歩をしたそうだ。植物神経生物学研究所を創設したステファノ・マンクーゾ教授は、「植物のインテリジェンス」について語っている。

 

 

SYMBIOSIAStefano Mancuso & Thijs Biersteker

 

庭の樫とマロニエに取り付けられた12個の探知器は、二本の木の神経反応を1800のデーターポイントでキャッチし、ダイレクトにデジタル画像に映しだす。たえず内から外に広がる同心円状の輪は、二酸化炭素CO2、大気や土の温度湿度、雨、光線、露などへの反応の変化をあらわしている。輪の幅がひろいのは順調で速い成長、狭いのはそれが遅く、抵抗の要素が増すと節が生まれるという具合に。 

 

今まで横断面の年輪で解読してきた木の形成や成長の過程、環境汚染についてのメッセージを、木から直接よめる時代になった。専門家たちが人間より高等であると説く木について知ることは、地球を破壊から護ることにつながっていく…

 

(Y

 

Fondation Cartier pour l’art contemporain

https://www.fondationcartier.com/en/exhibitions/nous-les-arbres:07/2019-01/2020

「植物は〈知性〉をもっている」著者ステファノ・マンクーゾ他二名:2015年出版 NHK久保耕司訳


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  • 2020.07.24 Friday
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  • 17:54
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