安西剛 インタビュー 「アウェー : 安西剛 展 」

2月3日(日)から開催しております「アウェー : 安西剛 展」。

作家 安西剛にへインタビューをいたしました。インタビューの前に本展と作家について紹介いたします。

 

本展は、本日2月8日(金)から開幕の「第11回 恵比寿映像祭」の関連プログラム「地域連携プログラム」の一環です。

昨年から本展に関するキュレーターに深川雅文氏 ( キュレーター / クリティック )を迎えております。今年は安西剛、東京初個展です。展示作品 "distance" の展示映像は下記をご覧ください。

 

▼展示作品 "distance" の展示映像 ( 場所 | プラザノース 、 撮影 | 安西剛  )

distance from an2ai on Vimeo.

 

安西剛は、東京芸術大学音楽学部音楽環境創造科卒業の後 ( 2009 )、東京芸術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修了( 2011 )。以後、国内外のアーティスト・イン・レジデンスや展覧会に参加したりと注目の若手作家の1人です。

 

作品のモチーフは、現代人が慣れ親しんでいるプラスチック用品。様々なプラスチック用品が展示場でご覧頂けますが、モーターと巡り会いそれぞれが機械の一部・パーツとなり「動く彫刻」として私たちの前に立ち現れます。安西剛は、人間が日々暮らしている中で目にしたり、使用したりする「もの」との関係について様々な角度で切り込んだ作品を機械や映像を用いて発表しています。展示作品  "distance" は、プラスチック用品が持つ鮮やかな色、その独特な機械の動き、機械音がスクリーンを介して「映像」としてご覧いただけます。その映像は、「カメラオブスクラ」といった映像の原点である構造を用いたもので、私たちに「像」を捉えるという根本的な現象について改めて気づかされる展示でもあります。

 

明日2月9日(土) 15:00 - 16:00 には、作家 安西剛 と深川雅文氏とのトークを開催いたします。(申し込み不要、参加無料)

展示作品 "distance" や、安西剛のこれまでの活動について迫る内容です。

天候が心配ではありますが、お越しの際にはどうかお気をつけてご来場ください。

 

さて、前置きが大変長くなりましたが安西剛へのインタビューを紹介いたします。

 

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■安西剛 インタビュー

 

今回、展示タイトルを「アウェー」とし、作品タイトルを “distance” で展示をしております。タイトルについてお教えください。


”distance"というのは英語で「距離」という意味で、「アウェー」というのも対象との距離や関係のことを示唆しています。この二つの語からわかるように作品タイトルの ”distance"(距離)というのはどちらかというと「遠い」や「近くはない」というニュアンスが前提となってます。色んなレイヤーで対象と主体との距離について感じてほしかったので敢えて抽象的な言葉を選びました。
この作品ではカメラ・オブスクラの原理を反転させて、レンズを通して内部のキネティック・スカルプチャーをイメージとしてスクリーンに映して間接的な方法で見せています。これは眼球のモデルを反転させたものとも解釈でき、そうするとレンズは角膜、スクリーンは網膜、内部のキネティック・スカルプチャーは世界に実在するモノ、そして鑑賞者は人の意識となります。この作品に出会ったときに、みなさんは「直接対象を見たい」というの苛立ちのような感情を覚えるかもしれません。実際に、レンズをのぞき込んで内部をのぞき込もうとする人が必ずいます。(内部は大変明るく危険ですのでおやめください。)僕たちは意識していないだけで、普段からそういうふうに間接的にしかモノをみることができないのです。そういった、対象を直接感じたりすることができない状態をアウェー(=Inaccessibility)と呼んでいます。


今回の展示ではカメラオブスクラといった “映像” 的側面とキネティックスカルプチャーが動く時に出る ”音” の側面が作品の要素としてあるように感じます。「音」について作品の中ではどのように位置しておりますか。


曖昧な答えになってしまいますが、視覚より聴覚のほうが「存在に対して近い」ような気がしています。僕は自分の作るキネティック・スカルプチャーに得体のしれない気配のようなものを感じています。スイッチを入れた途端に、同じ部屋につながれていない犬と一緒にいるような感覚になります。そういった気配というのはいったい何なのか、というのが今までの作品を通して根底にあるテーマでもあります。

 

カメラオブスクラが作品 “distance” に取り入られるに至った背景をお教えください。


壁画用に下絵を拡大するプロジェクターをアメリカで5ドル程度で手に入れていろいろ遊んでみたことです。元々は二次元のものに対して使われることが多いですが、三次元のモノでやったらどうなるだろう、と。

 

キネティックスカルプチャーは主に色あざやかなプラスチック製の日用品で制作されていますが、何故身近にある製品で制作されたのでしょうか。

 

端的に言ってしまえば、それらが僕らの社会の様々な側面を切り取ることになるからです。僕はこれまで様々な国で制作してきましたが、安価な日用品というのは色鮮やかであることが多いですね。そして産地も大体は同じ国で作られている。おそらく10年後、20年後には産地も違う国になっているでしょうし、色合いも変化していくことでしょう。

 

作家として制作に取り組みはじめた時期やきっかけは?


「作家として」というのをどう解釈するかにもよりますが、作品への自分の態度は基本的には学生の頃から変わっていません。僕は学部は音楽学部に行っていたのですが、その中で美術作品を作っていました。当時制作した作品と最近の作品はクオリティは違えど、自分との関係は変わっていないと思います。


今後新たに取り組みたいことや、今後の活動についてお聞かせください。

 

今後は、プラスティックという素材が持つ矛盾をテーマにしていきたいです。ざっくりと言ってしまえば環境問題について、となりますが、別に「美しい地球を守っていこう」といった類のものではありません。ゴミというのはモノに対するあくまで恣意的な線引きなのです。例えば違う時代や生き物からの視点を想像して、彼らのパースペクティブから現代の問題を取り上げられないかと模索中です。

 

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皆様には是非、大掛かりなインスタレーション作品を会場に足を運んで体感いただきたいです。

安西剛は本展終了後、ワイマール ( ドイツ )へのレジデンスが控えており今後の活躍にも注目です。

 

 

■アウェー : 安西 剛 展

会期:2月3日(日)-2月28日(木)
OPEN 12:00  CLOSED 19:00
※日曜・最終日 18:00 まで
休廊 月・火・2/11

 

▽展示専用ページ

http://www.kobochika.com/homepage/html/exhibition_20190203.html

 

深川伶華

 


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  • 2019.08.23 Friday
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