「時を描く -絵画表現での時間性- 」作家紹介

今回の展覧会のテーマは「時を描く -絵画表現での時間性- 」。各作家に展示作品や今回のテーマについてお答えいただいたコメントをご紹介します。今週は、西村晴恵、根本篤志、長谷川誠、堀部由佳子の4名を紹介いたします。(アイウエオ順) 
なお、先週のブログはコチラからご覧ください。

西村晴恵


普段描いている、風景や植物をモチーフとした画面と「時間」をどう結びつけていこうか。考える過程でいくつかの気付きがあった。
「植物は時間を感じているのか」そして、「絵を描くこと自体が時間の集積である」こと。
植物にとって、人間が定義した時間の概念は恐らく、ない。だが、体内時計のようなものはあるのだろう。
植物が感じているであろう「時間」を、時間の集積である絵画として描こうと思い、テーマを「植物の三位一体」とした。


根本篤志

 

描いた花の上に、版画で繰り返しイメージを刷り、貼る。シワが出来る。そこに線を引く、繰り返すこと。線を引く、貼る、紙にシワが出来る、そうしてそのものが自然とイメージになっていく。それは、目の前の絵との対話です。それは、大切な人を思って花を贈ることと、送った思いがまた別の思いになってたくさんの人に広がっていくことに、似ていると思うのです。

絵画は別の何かに変換していく行為なのではないかと思っています。
例えば、線の集積でデッサンをしていく。線じゃない別のイメージになったときにすごい!と、なる。それならば、自分が行う行為そのものが別のイメージにならないか、ということを考えていました。行為の結果ではなく、過程そのものが、別の何かになるんじゃないかと、考えて描いていました。

そんなことをつらつらと考えながら、絵を描く瞬間とか、版画の版の生きていることとか、絵画に流れる時と版画の時のこと、版画と絵の関係を思って制作に入っていました。

絵画の時間は不思議なものです。小説は言葉を読みながらゆったりと時間が流れる。音楽は音を聞きながら演者と共に同じ時間を共有していく。映画は映像の流れに身を任せていく。絵画はそのどの時間ともまた違う。
描き手はそれぞれの時間で絵を描いていきます。絵には描き手の時間が詰まっています。けれど、見る人はそんなに長い時間見はしないでしょう。時にそれは一瞬で終わってしまう。
絵画の時間は見えづらい。だからこそ、別の何かに変換する行為の結果ではなく、描く時間その行為を見えるようなものができないかと思いました。

「時」という題を与えられたからこその、それはとても思いつきのようなことでした。
その考えを貫くには枠が邪魔なのだと言うことに初めて気づきました。これは自分にとって大きな発見でした。
トークイベントでも感じたのはやはり枠のことでした。人それぞれに枠というのがある。今の自分は自分で当てはめてしまっている枠がきっと邪魔なのだろうと、そんなことを考えていました。


長谷川誠

 

今回の出品作品は、いずれも”スタイラス”と私自身が呼んでいる、支持体に塗布したジェッソを乾燥後、自作のニードルによってなぞることによる摩擦痕で描画する方法による。ストイックでわずかなグレートーンしか得られない方法は、自分自身を”描く”という行為から遠ざけてくれるように感じ、長い間続けている。描くモチーフも視界の先に消えていくような、記憶による風景であったり、その断片であったりする。「道しるべ」、「いきを辿る」という作品タイトルも、自然の中で感じた身体的な記憶をなぞるために付けた。

今回のテーマは、ー絵画表現での時間性ーであり、絵画という宿命的な構造から、平面(絵画表面)における時間性の意味や、当然、制作過程を含めた”時”に対する捉え方を再考でき、”時”の変質こそが作品としての本質に他ならないことを確認できた気がする。”時”に対する意識は頻発化する自然災害やこれまで経験したことのないような自然現象に遭遇することで、気象や地理の変動といったものも大きく言えば自然の時間軸の中で起こるべくして起きているのかもしれないことに気付かされる思いだ。私は自然に向きあいながら、自然を貫く胎動に耳を傾け、太古から未来へつづく静かな自然のうねりを感ぜずにはいられないのです。


堀部由佳子

時間というテーマをいただいた時は、以前制作していた作品を思い出しました。その”時間洲”というタイトルの作品をつくっていた時は、時間を経る中での、傷や沁みや落書きなどの堆積と内面の記憶の堆積を意識していましたが、今回の作品のタイトルはmovingということで、”止まらず動いていること”(時)を意識して制作しています。
 具体的にやってみての制作なので、油絵の制作は過程でいつも迷いが生じて苦戦するように思います。油絵の場合は一旦忘れるための時間をおきながらの制作になります。
 

 

 

展覧会もいよいよ明日29日(土)の18:00で終了します。ご覧くださいました皆様に感謝を、まだの方は是非、お見逃しなく ! 

 

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シリーズ企画「絵画を考える」

 

「時を描く -絵画表現での時間性-」

会期: 9月8日(土) - 9月29日(土) 

OPEN 12:00  CLOSED 19:00
※日曜・最終日 18:00 まで
休廊 月・火

 

http://www.kobochika.com/homepage/html/exhibition_20180908_0929.html

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馬場隆子


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  • 2018.12.14 Friday
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