3月に観た展覧会について

3月に観た展覧会からいくつか、ビックアップする。

 

渡邊耕一展 "Moving Plants"

 

資生堂ギャラリー

 

ふとした事から植物の「イタドリ」にひかれ彼の記憶や記録の中からイタドリの足跡をたどる。

それは、博物学的な観点や歴史的な事も考察したら世界の各地でイタドリが広まっていった10年以上をかけて撮影したドキュメンタリーでもある。

 

ドキュメンタリー 解説の一部

 

くしくも、工房親では2月の恵比寿映像祭地域連携プログラムで相模智之展を行った。

彼も又、12年をかけて東京とその周辺の昭和の公団や×××荘というようなアパートを撮った。

 

相模智之展「Behind Closed Doors」

 

年齢も対象も撮影場所も違うが、お互い写真の背後にある記憶や歴史など目に見えないものを追っていた。渡邊の写真は美しく、空間をたどって観ていくと実に心地良かった。

 


糸井潤写真展 ”Light Weaver 〜光を編む人”

 

ギャラリー砂翁

 

工房親では、糸井潤がフィンランドへ行く前、そしてフィンランド帰国後の2011年7月と個展をしている。又、2015年7月にはグループ展でも紹介している。

 

今回の日本橋「ギャラリー砂翁」での個展では以前、”工房親”での個展で発表したワックスもの、フィンランドで撮影されたものから木こりを目指し中之条に移住されてからのものといくつか分別される。

 

更に画廊の道路に面した窓いっぱいに満開の桜の写真がスクリーンか何かのように展示されている。

 

展覧会のタイトルは、”Light Weaver 〜光を編む人” となっている。桜の大きな写真と他の作品のつながりは私にはみえてこなかったので、今度お会いした時に質問してみたいとおもう。

 

 

大塚勉写真展 「空が割れた日」

 

ギャラリー ヨクト

 

2017年11月、原発事故後の福島県、浪江町、富岡町の帰還困難地域周辺という説明がある。

 

大塚は故郷の浦安が2011年の大地震で液状化された事をきっかけに元来、水や土に興味を持って撮影していた彼は原発にも深く関心を寄せていった。その写真は特別大きいサイズや特殊なものはない。

 

淡々としたそれらは、あまりにも美しい物語のような風景にもみえてくる写真に私はどうしようもない不思議な感情やそら恐ろしい感じがした。

 


安西剛展 「カゲノカゲノカゲ」

 

3月8日、一日中かなり強い雨の寒い平日。私は安西剛展を観にさいたま市、加茂宮のプラザノースギャラリーへ向かった。大宮までは、恵比寿駅より1時間弱。一直線で着き、意外と近い。その後「ニューシャトル」という乗物に乗るのは初体験。「鉄道博物館駅」を過ぎると加茂宮駅だ。そこから徒歩5分というが、辺りには何もなく心細い。ようやく近代的な新しい建物に入り会場入り口を見つけた。

 

暗い会場を入り目が慣れず、ぼんやり映像作品らしきものに近づいたら「馬場さん」と声を掛けられた。

それは、今回展示作家の安西さんだった。暗い中で、安西さんらしいと分かり説明をきき始めた。

 

以下8つのタイプ別作品が展示されている。

 

1.distance
2.TBD no.8-35
3.126 unique molds from one object
4.Document
5.th-read
6.Coccyx’s Identity Crisis
7.Search by Portrait no.1-7
8.Oblivion


6の “Coccyx’s Identity Crisis”は、昨年(2017年)11月に”工房親”で発表された作品で再び出会えて懐かしい。

Coccyx’s Identity Crisis

 

私は2の”TBD no.8-35”と5の”th-read”に特に関心を持った。

 

TBD no.8-35

 

安西剛 th-read 2015 Biyong Point

 

 

1時間以上に渡り、1つ1つ丁寧に説明くださった安西さん。まさか、作家さんを1時間にもわたって独占しようなんて思っていなかったので寒い雨の中でも至福の一時を持てて良かった。実は、安西さんから展覧会お誘いのメールを頂いていたのだが、安西さんにお手数をかける気は無かったので何もお知らせしないで訪ねた。だから、安西さんとお会いする事もましてそんなに良くご説明頂くなんて期待していなかった。

 

しかし、現代アートにおいては、勝手にアレコレ想像するのも良いし、楽しいがやはり作家に説明してもらうとより充実して楽しめる。3月に観たいくつかの展示をご紹介したが、やはり最も印象に残ったのは「安西剛のカゲノカゲノカゲ」。

 

 

現代美術をより深く理解する為には、作家や良き通訳者がいてくれると「イイナー」と実感した。

 

雨が降る薄暗く寒い日がとても有意義な良い日となった。

 

 

馬場隆子

 


スポンサーサイト

  • 2018.06.17 Sunday
  • -
  • 13:00
  • -
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

コメント
a
コメントする








   
この記事のトラックバックURL
トラックバック

calendar

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< June 2018 >>

Recent Posts

links

search this site.

sponsored links

mobile

qrcode

powered

        みんなのブログポータル JUGEM