【さまざまな形、さまざまな色】まとめ

今年も残すところ10日を切った。

 

そして本年最後の企画展「さまざまな形、さまざまな色」もいよいよ今日と明日のみ。

毎年11月〜12月にかけて大グループ展を行ってきて2017年で27回を迎えた。

 

この展示はまさに「さまざまな形、さまざまな色」のタイトルのとおり、総勢18名の形と色を楽しめる。

 

さらに一人の作家の持つ多面性を見ることができる。

 

 

 

 

例えば田中隆史は本来の活動としては陶芸家である。

しかし今回の展示では平面作品を展示。でもその作品は茶器をメインに活動している田中らしく品があり和やかでさりげない。

 

 

 

 

 

鍛金の松本晃は本来の鍛金の技術を活かした見応えのある立体「concavoconvex -葡萄-

しかし小品ではステンセスとガラスを組み合わせ、斜めの角度のついた一輪挿しは彼の柔軟性と遊び心を感じる。

 

 

 

 

同じく鍛金の小林正樹は金歯をモチーフとした意表をついた作品が実に愉快。

そして彼の平面ドローイングは中之条での出品作品のイメージ画。なんとも可愛いらしい一面が見られる。

 

 

 

 

 

今回、初登場の中村愛子は大きなステンドグラス作品に対し、平面は鉛筆の黒を練り消しでぼかしたモノクロームでピーナッツを描いた。光を通し成り立つステンドグラスとは対照的。

 

 

またほんのわずかだがマスキングテープも制作を試み、出品した。

 

 

 

 

 

西山晴恵も平面作品と共にもうおなじみの七宝作品も新たな試みが加えられ、煌びやかさと洗練さが感じられた。

彼女は平面作品でも深さが加わってきてさらなる活動、発表の場を広げている。

 

 

 

 

雨宮透は今回最年長であるが心は未だに純粋で若々しい。

最近は行政からの依頼で大きなブロンズ像の制作や新制作での制作を中心にしている。

しかしこの展覧会ではテラコッタやブロンズ像も小ぶりで馴染みやすいものが多く出品され、和やかな雰囲気を高めた。

 

 

 

 

押鐘まどかはアート作品の制作と共にデザイナーとして活躍を広げている。

高感度で独自なセンスはアートにも小品にも相乗効果が出てきている。

彼女のチカブロでの「この展覧会は作家の作品、ギャラリー、そしてお客様を含めたセッション」という言葉が良い。

 

 

 

 

日下芝は制作していくための環境を備えるのに大変そうな彼だが作品は凛としていて美しい。

100号上の大きな制作と共に過去に出品された作品や彼のセンスが溢れたハートの作品などが思い出され、彼の作品はこのグループ展示にはなくてはならない。

 

 

 

 

似内美乃里は中村愛子と共に今回初参加の若手の女性作家である。

自身も言っているようにこれからの人だ。しかし、真面目に作品に取り組み若い女性をモチーフとしたモノクロの作品は彼女独自のセンスと気品を感じさせる。これからも追って行きたい一人だ。

 

 

 

 

根本篤志はリトグラフ作品から油絵やインスタレーションと挑戦していこうとしている彼は文学的思考もあり作品を多重多層にとらえていき可能性を広げていこうとしている。

本来の真面目さにさらに破天荒な冒険心やスパイスを加えて行けたらさらに面白い展開となるだろう。

このグループ展で次回は実験的に小品などを通してそういうものを見せて欲しい。

 

 

 

 

野口大地は「大地」という名が示すように私は彼の作品に「土っぽさ」を感じる。

今後は小品などでもフワフワやモコモコとした触感のある作品も出品してもらいたい。

 

 

 

 

野津晋也は彼自身が今回のブログで言っている

 

カミュ「転落・追放と王国」(新潮文庫)を約20年振りに読み返しました。その中の窪田啓作さんの解説に印象的な言葉がありました。

 

“…何ものをも希望しないが、まだ何ものをも諦めない。山頂に絶え間無く石を押し上げる、終わりのない無益な苦役…”

 

が野津の世界を表している。

彼の世界は不思議がいっぱいでそれに引き込まれていく人はこれからもたくさんいると思う。

 

 

 

 

阪本あやこは工作を主体に活躍しているがそれだけでない大きな可能性を秘めている。彼女の個性は時代に流されず、それでいて時代をキャッチしているユニークな感性だ。

たくさんの工作本を出すかたわらアーティストとして深さを求めた大作にも挑もうとしている。

 

 

 

 

杉村紗季子は小さな鋳造作品を作っている。

彼女の世界はミニチュアのようでありながら大きな満足・安心感を与えてくれる。それは彼女の細やかなものに対する視点、優しさが溢れているから。

「〜ファースト」や愛国主義などが強くなり、個人も国家も力を誇示しようとしている傾向のみえる中で彼女の作品にもっと目を向けて、小さくささやかなものを感じてほしい。

 

 

 

 

山神悦子はもう工房親でもすっかりおなじみの一人だ。一番最初に彼女と工房親で会ってポートフォリオを見せていただいたことは今でもよく記憶している。その気品溢れ、姿の美しい作品にはもうすでにたくさんの画廊さんとのご縁があるのでは?と考えた私に対し、「まだ画廊企画は一度もない」との答えに私はすぐさま工房親での画廊企画を申し出た。

今では多数の画廊から招待される作家だが彼女のブログでの

 

各作家の作品が画廊空間で多様な個性を生かしつつ調和し、展示全体として工房親の傾向を表現していると、いつも思います。

また、自分の過去の出品作を振り返ると、足跡を辿るミニ回顧展になるのも面白いです。

 

との感想は嬉しい。

そして今でもその作品の安定した品質と共に向上している。

 

 

 

 

堀部由佳子とも長い付き合いだ。

そのひたむきで真面目な作品はいつ見ても変わらず、今年も「生命」とまっすぐに向き合った作品だ。

ヌピアアイベックス(鹿の一種)が高い崖から降りてくる様を描いていて、そのくっきりとした姿を描かれずにその姿のわかる作品は彼女の素描力が出ている。

今、彼女は聖路加看護大学で美術を看護師の卵たちに教えているがピッタリの先生だと思う。

 

 

 

 

長谷川誠との付き合いも20年以上になる。

最初に彼のアトリエを訪れたときに長谷川氏が抱っこしていたお子様はとうに成人され独立していると聞かされびっくりしている。しかし当時からの彼の制作姿勢は変わらない。東北で生活している中での雪や氷などの白い世界から誕生する様々なイメージと作品。それは益々パワーアップし、最近はインスタレーションの発表もある。

 

 

また同時にピンバッジやブローチなどのアクセサリーにも彼のメッセージは込められている。

自然と馴染んでいる彼が一個ずつ手製したブローチは今回も多くの人々が気に入り、ご多用中に追加注文を再三お願いしたくらいだ。

 

 

 

 

 

 

以上、私の個々の感想である。(順不同)

 

この展示を通して作家が他の作家や作品と直接出会って交流が生まれたり、本来の作品と少し違う小品に挑戦し、新たなものを見出したり、新しいお客様や美術関係の人々と出会って活躍・発展していく事を今まで以上に期待し、そしてこの年末の大グループ展はさらに30回までは続けられたらと考えている。

 

最後にこの展覧会への最も大きな貢献者としてクボタタケオは欠かせないことを改めて加える。

今年の展示も18名の作家の協力とブログやDM作成、その他で活躍してくれた上野さんに感謝で終わる。

 

馬場隆子


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  • 2018.09.19 Wednesday
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  • 19:22
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