展覧会、前期を振り返る

 日々、体温に近いような猛暑でメディアでは連日、熱中症という言葉を聞かない日はなかったような今年の7月、8月。台風の影響で幾分涼しい日もあるが、暑さにも台風にも負けずお陰様で工房親(チカ)の前期展示は終了した。ここで、8ヶ月を振り返る。

■「春韻」展 1月12日 - 1月27日 
毎年、新年の幕開けは女性の画家による「春韻」展。

大森牧子、架菜梨案、鈴木敦子、清田悠紀子、福室みずほ の5名は会場鮮やかで華やかにしてくれた。

 

 

▲鈴木敦子、清田悠紀子、大森牧子

 

▲福室みずほ

(「春韻」展過去記事はコチラ )

 

 

■仏蘭西レストラン「かえりやま」での展示 1月6日 - 3月

「春韻」にも同時に展示している架菜梨案さんが「かえりやま」でも展示 

 

▲左: 架菜梨案さん 右:オーナーシェフのかえりやま氏

(過去記事はコチラ)

 


■相模智之「Behind Closed Doors」恵比寿映像祭地域連携プログラム 2月1日 - 2月25日
深川雅文氏による、相模智之展「Behind Closed Doors」は昭和や大正の古い団地やアパートの風景に様々な年齢の方がご来場。

年齢の上の方は懐かしがり、若い方も憧れてみてくださった。
 

 

 

会期中には、相模智之と深川雅文氏によるトークイベントを開催。

 

 

(相模智之「Behind Closed Doors」展、過去記事はコチラ)

 


3月
若い学生による自主企画が2本。そして、ギャラリー外では店内装飾替え。

 

■「pot-au-feu(ポトフ)」3月11日 - 3月17日

東京芸術大学デザイン科2年生による美術作品展は若々しくてフレッシュ。

 

 

 

(「pot-au-feu」展、過去記事はコチラ)

 


■「木になる」3月23日 - 3月25日

女子美術大学ヴィジュアルデザイン専攻・立花文穂ゼミ9期生による卒業制作展

なかなかパワフルでそれぞれ卒業後のこれからに向かっての展示でした。

 


「らせんを歩く」渡邉彩乃 Ayano Watanabe

 

「あなたへ」金秀美 Sumi Kim 

 

(「木になる」展、過去記事はコチラ)

 

 

■店舗装飾替え 3月 - 10月(予定)

▲クボタタケオの作品「グリーン」と「せっけん」の写真

 

▲架菜梨案作品と阪本あや子の作品

 

(店舗装飾替え、過去記事はコチラ)

 

 

 

■「追憶」
4月は何と言っても工房親のスタッフとして働いていた上野さんの卒業展。

すごく忙しかった中たくさん制作し展示。何より驚いたのは工房親のお客様、作家さん達が

本当にたくさん来てくださり上野さんが多くの皆様に慕われていたことを感じた。

 

 


 

(「追憶」過去記事はコチラ)

 


6月はコレクション展と、ギャラリー外では済生会向島病院で  "LOOP" の活動、レストラン「かえりやま」での展示。
 

■「CHIKAコレクション」6月1日(金) - 6月16日(土)

コレクション展は4月から親の一員の深川伶華がセレクション。

懐かしい作品も数々あり、親の歴史を感じる展示。

偶然ダクチファインアートでの展示のため来日していたレギーヌ・シューマンも観に来られた。

 

 

▲レギーヌ・シューマン

(「 CHIKAコレクション」、過去記事はコチラコチラ)

 

■「LOOP」6月15日〜9月(予定)

▲大島利佳「chat over a cup of tea」

 

▲渡辺光「Vine」

(ホスピタリティアート "LOOP" 、関連記事はコチラ)

 

 

■仏蘭西レストラン「かえりやま」6月1日(金) - 8月31日(金) 

▲左: 鈴木敦子「Untitled」 右: 堀部由佳子「flower ーブラックコスモス」

 

▲榊原勝敏: 左(小作品10点)「ハナ湯」 右(大きな花1点)「ハナスベリ」

(「かえりやま」、過去記事はコチラ)

 

 

■「桃と花余白を読む」6月24日 - 7月1日

大渕花波(多摩美術大学絵画学科)と佐藤桃子(武蔵野美術大学造形学部油絵学科)による2人展「桃と花 余白を読む」を開催
若い女性二人らしいおしゃれさの中にアートに対しアグレッシブさもあり面白い展示となった。

 

▲大渕花波



▲佐藤桃子

 

(「桃と花余白を読む」過去記事はコチラ)


■隼田大輔 個展 "Golden Sheep" 7月7日 - 7月28日

 

「CORRESPONDENCE / LANDSCAPE」は映像を中心とした企画展で、

1996年にクボタタケオと共にスタートし、今年は隼田大輔の個展 "Golden Sheep"を開催した。


7月に入った途端、異例の暑さだが、画廊内は涼しく静かで爽やかな隼田さんの世界ができていた。

最終日はあいにく台風と重なったにもかかわらず多くの方々が見に来てくださった。


 

 

会期中には、ランドスケープアーキテクチャー(景観・都市デザイン)の杉浦榮氏を迎えて

隼田さんと2人のトークを行った。

 

 

(「 Golden Sheep」、過去記事はコチラ)


■「Feature Art 3人展」7月31日 - 8月6日

上半期の最後はJUN、福田理代、 前田ゆりの3人による切り絵と紙の上に色鉛筆とペンで書いた細かい絵。

3人三様の作品がそれぞれで興味深い展示で締めくくれた。

 


 


工房親(チカ)は、8月8日〜8月21日まで夏季休廊。

後期、1回目は2010年より毎年開催している「絵画を考える」展。

今年のテーマは「時を描く -絵画表現での時間制-」で8人の作家がそれぞれ作品を発表します。

 

各作家によるコメントについては、下記ページをご覧ください!

http://www.kobochika.com/homepage/html/exhibition_20180908_0929.html

 

では、またみなさんとお会いできるのを楽しみにしています。

良い夏をお過ごしください♪

 

馬場隆子








『逸る狂気 - アール・ブリュットの源』

スタッフの深川です。

8月に入り、世界各地で猛暑のニュースが連日止まない。日本も漏れなく、異常な夏を迎えている。工房親(チカ)近くの広尾商店街では、8/5(土)に打ち水大作戦が開催されるとのことで何だか広尾も楽しい街だな〜と思いながら用事を済ませる毎日です。皆さんも、暑さを楽しめるようなマインドも持ちつつ夏を乗り越えたいですね!

 

今日は馬場さんの知人、パリ在住の方から届いた便りを紹介いたします。

 

*****

 

『逸る狂気 - アール・ブリュットの源』

La Folie en tête aux racines de l'art brut

11/2017−03/2018

 

 

歴史地区にある文豪ヴィクトル・ユーゴーの家で展覧会があった。ユーゴ―の兄ウージェンヌと末娘アデルが共に精神を病んだことに関連づけ、作品はスコットランド、フランス、スイスの三人の精神科医の蒐集作品とドイツのプリンツホルン・コレクションから来ていた。

 

19世紀後半から20世紀にかけて精神科医たちは、テラピーとして患者に絵を描くことを奨め、衝動からくる個々の純粋な表現につよい関心をもった。あつめた作品は病院内や街の画廊で紹介され、第一次世界大戦前後のアヴァンギャルドたちの注目をひく。反・文化/非・西洋美術の風潮が美術界で高まるなかに、1922年プリンツホルン著の『精神病者の芸術作品』が出版され、ポール・クレーや シューレアリストは影響をうける。ジャン・デュビュッフェが1945年に、これら既成美術の枠外にある作品群をアール・ブリュット(生の芸術)と呼称し、のちに公立アール・ブリュット美術館をローザンヌに設立した。

 

 

 

これらの作品200点はアール・ブリュットの源泉として紹介され、展覧会はその芸術性を称えるとともに、精神科医へオマージュを捧げている。

「太陽の雄鶏共和国は仮装しない晩餐舞踏会を催す」A.Klett ‐1923    

 

 

長い題のポスターはシリーズの一枚(部分)で物語風。

 

はじめに、山と湖と病院のあるスコットランドの風景がでてくる。19世紀の水彩画で作者は不明。

 

ポットやカップの中でピンクの草花が咲き乱れるティー・セット(J.Askew)や、街道をいく一台の辻馬車の青一色淡彩デッサン(de Mayo)は、詩の一片のよう。

 

帆船の浮かぶ海、海から生える巨大な二本の麦穂、陽光と雲の装飾モチーフ、これら三つの斬新な組み合わせは自称「旅するフランス人」。よく知られたA.Wölfliのブレムガルテン城は鉛筆と黒鉛の大作、横たわる鯨のような巨体、その余白を城郭や城塞や砦がびっしり埋めつくしている。星が一面にかがやく蒲団?に下半身が包まれたキリスト像は細密なイコン(Victor-François )…

 

 

 

画用紙に鉛筆クレヨン水彩の絵やデッサンが多く、粗布に木綿糸の刺繍、ボール紙の帆船、粘土の盆や水差しもある。簡素な素材に刻まれた心象の数々は、いずれも湧き上がる想像の世界を自由に泳いでいるようだ。

 

  « 鍵穴 »  鈴木ヒラク  2015
« 鍵穴 »  鈴木ヒラク  2015

              

 

数年前パリの日仏文化会館でCOSMOS/INTIME展があった。精神科医の高橋龍太郎コレクション40点余りで、国際的に知られる作家を含む、主に1960年代以降に生まれた世代の作品だった。歴史の威光と退廃、パニック、シリウスのオデュッセイア、食品連鎖といったマクロ世界が、大胆な発想で構成され、強烈なエネルギーを発散している。一方、深い内面の世界があった。自然物、宇宙人? 第六感、鞄などが、個人の物語を語る。

 

 

多様な表現スタイルはいずれも独創性に満ちていて、内奥に潜む自己の探求をつづけている。

 

 

(Y)

 


トーク「発見する風景、創る風景」 隼田大輔 × 杉浦榮氏

7月14日 隼田さんはランドスケープアーキテクチャー(景観・都市デザイン)の杉浦榮氏を迎えて2人のトークを行った。

 

杉浦氏は、建物の建築設計をするというより建物の周りの風景や環境を創られている。

 

企業の建物の場合、その企業の歴史や企業のコンセプトや意味、そしてその土地の背景の文化や役割を考えて風景を創ってゆく。

 

杉浦氏の仕事を一部抜粋する。それぞれに、杉浦氏の言葉が添えられている。

 

2008 前沢ガーデン桜花園 -YKK社75周年記念事業- 

https://www.ykk.co.jp/japanese/corporate/pr/okaen.html

 

2006 KAWARA -ニトリ社新東京本部屋上庭園- 

http://www.g-mark.org/award/describe/33807  (2007年度グッドデザイン賞 Webページ)

 

みなさんが普段利用している施設にも、景観・都市デザインが考えられているところも少なくありません。お気に入りの景観がある施設には、どのような意義の元でデザインされているか調べると二度味わえるような。

 

 

 

この展覧会の大きなタイトルは「CORRESPONDENCE / LANDSCAPE (風景との応答)」そして、96年からシリーズを続けている。20回以上(時には1シーズンに2回・3回行ってきた)回を重ねたが「風景」の捉え方はまさにその人によって全て異なるので、このテーマは永遠に続けられそうと最近感じている。

 

隼田さんも今回の作品を撮りながらも、その展示や発表のしかたにもこだわっている。いわゆる、ホワイトキューブのギャラリーや美術館ではなく寺や神社などに風景として展示したいと今後は考えているそうだ。すでに、次の作品イメージがあることをトークで話していた。今後の活躍が楽しみである。

 

馬場隆子

深川伶華


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